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根管治療後に薬の味がするのはなぜ?味はいつまで続く?原因(薬剤・仮詰めのすき間・消毒液の付着など)と、自宅でできる対処法、受診すべきサインを分かりやすく解説します。
根管治療の薬の味はいつまで続く?不快感の原因と対策を解説
根管治療(いわゆる神経の治療)のあと、「薬っぽい味がする」「苦い」「消毒薬のにおいが残る」と感じる方がいます。
多くは一時的で心配いらないことが多いですが、原因によっては対応した方が良いケースもあります。
この記事では、薬の味がする理由といつまで続くのかの目安、そして自宅でできる対処法と歯科医院に相談すべきサインをまとめます。
根管治療における「薬の味」の原因とは
根管治療で使われる薬剤・材料の例
根管治療では、感染を減らすために次のような薬剤や材料を使います(医院により方針は異なります)。
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根管内の消毒・洗浄に使う薬液(消毒液)
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根管内に入れておく貼薬(例:水酸化カルシウム製剤など)
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仮詰め(治療の途中でフタをする材料)
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仕上げに使う根管充填材・接着材(シーラー等)
これらのうち、におい・味として感じやすい成分が口の中にわずかに出ると「薬の味」として自覚されることがあります。
薬の味がする主なメカニズム
よくある原因は大きく3つです。
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治療中に消毒液が口の中に付着した
治療直後は、頬や舌に微量が付着して苦味・薬味を感じることがあります。(ラバーダム防湿をちゃんとしている場合、頬や舌には付着しません) -
仮詰めのすき間から、根管内の薬が“にじむ”←一番問題なパターン
仮詰めは強固に封鎖しますが、噛む力・すり減り・欠けなどで密閉性が落ちると、根管内の薬剤成分が唾液側へわずかに移行して味を感じることがあります。 -
材料特有のにおい(例:歯科材料の匂い)を味として感じる
人によっては「味」というより「においが上がってくる感じ」と表現されます。
根管治療後の薬の味はいつまで続くのか
持続期間の目安
多くは次の範囲に収まります。
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数分〜数時間:治療時の付着(うがい・飲水で軽くなることが多い)
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その日中(〜24時間程度):材料のにおいが残る/唾液に混じる
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1〜2日以上続く:仮詰めのすき間・欠け・噛み合わせで削れた などの可能性
※体感には個人差があります。特に「苦い」「消毒薬っぽい」など強く感じる場合は、仮詰めの状態チェックが有効です。
味が続くときの対処法(自宅でできること)
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うがいを数回(強くしすぎない)
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水・お茶をこまめに飲む(口の中を流す)
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舌で仮詰めを触らない(欠ける原因になりやすい)
それでも24〜48時間以上はっきり続く、あるいは後述の症状がある場合は、早めに相談が安心です。
根管治療中の不快な味の対策
治療中にできる対策
患者さんができる対策というのは基本的にはありません。治療中にもし消毒液の味などがしたら治療中のドクターに教えたほうがいいでしょう。消毒薬により化学的熱傷の原因となることがあります。
医院側の対策としては、吸引の強化や隔壁(歯がない部分に作る壁)、ラバーダム防湿での遮断などが一般的ですが、そもそもきちんと虫歯を取って、歯がなくなったところに隔壁を作っていなければ仮の蓋をした時にきちんと蓋が出来ておらず、内部の薬の匂い、味がしみだしてくる場合があります。
内部の匂いが出てくるというのは、逆に言うと唾液中の細菌がどんどん根管内に入り込む可能性があり、感染を引き起こします。薬の味がする状態というのはかなりまずい状態かもしれません…
歯科医師に相談すべきタイミング
次に当てはまる場合は、仮詰めの状態確認や薬剤の影響の確認をおすすめします。
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薬の味が2日以上はっきり続く
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仮詰めが欠けた/取れた気がする
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噛むとズキッとする・痛みが増えてきた
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腫れ、強い違和感、発熱、膿のような味がする
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薬液がしみたような強い刺激(ピリピリ、灼熱感)がある
根管治療後のケアと注意点
治療後の食事の注意
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麻酔が残っている間は熱いもの・硬いものを避ける(頬や舌を噛みやすい)
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仮詰めの歯はガム・キャラメル・ハード系で欠けやすい
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できれば治療当日は、強い刺激物は控えると快適です
口腔ケアの重要性
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歯みがきは通常通りでOK(痛みが強ければ優しく)
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フロスは仮詰めの形によって引っかかることがあるため、気になる場合は医院で確認を
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口の乾燥は味を残しやすいので、水分摂取・唾液を増やす工夫が有効です
根管治療に関するよくある質問(FAQ)
薬の味がするのは正常ですか?
多くは一時的で、治療直後〜当日中に軽くなることが多いです。
ただし、2日以上続く/仮詰めが欠けたなどがあればチェックをおすすめします。
ずっと味がする場合、再治療が必要ですか?
必ずしも再治療とは限りません。
まずは仮詰めの密閉性や噛み合わせで欠けていないかを確認するだけで改善することも多いです。
再治療(追加処置)が必要かもしれないサインは?
次のような症状が続く場合は、早めの受診が安心です。
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痛み・腫れが強くなる、寝られない痛み
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噛むと強く痛い状態が続く
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膿の味・口臭が強い、発熱
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仮詰めが外れた
まとめ
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根管治療後の「薬の味」は、治療時の付着や仮詰めのすき間などで起こることがあります。
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目安は数時間〜当日中。
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2日以上続く/仮詰めが欠けた/痛みや腫れがあるなら早めに歯科へ相談が安心です。
※この記事は一般的な説明です。症状が強い、気になる場合は遠慮なく担当医にご相談ください。
執筆者情報

院長/歯科医師・博士(歯学)
【略歴】
- 2008年
- 日本大学松戸歯学部卒業 日本大学松戸歯学部附属病院 研修医
- 2009年
- 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
齲蝕学分野入学 - 2009年~2013年
- 開業医勤務
- 2013年
- 日本顕微鏡歯科学会 認定医取得
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科修了
博士(歯学)取得 - 2013年~2018年
- 長崎大学大学院
医歯薬学総合研究科齲蝕学分野助教 - 2016年~
- 日本顕微鏡歯科学会代議員
- 2017年
- 日本顕微鏡歯科学会認定指導医取得
デンツプライシロナ エンド公認インストラクター - 2018年
- 辻󠄀本デンタルオフィス開業
【受賞歴】
- 2015年
- 日本歯内療法学会関東甲信越静支部 第9回ウィンターセミナー鈴木賢策賞受賞
第12回日本顕微鏡歯科学会学術大会 大会長賞受賞 - 2023年
- 日本顕微鏡歯科学会学術大会優秀ポスター賞受賞
開業歯科クリニックでの勤務や大学での研究を経て、
長崎大学の齲蝕学分野助教となり、根管治療の難症例などの治療にあたる。
2018年に「辻󠄀本デンタルオフィス」を開業。
マイクロスコープを用いた精密な根管治療を得意とし、難症例にも多く対応している。
歯科医師向けの様々なセミナーの講師を務めるほか、歯科関連の雑誌や書籍の執筆等精力的に取り組んでいる。
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