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歯 根 痛い 歯の根が痛む理由とは?根管治療のすべてを解説

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根管治療・マイクロエンド・歯内療法歯がズキズキする歯ぐきが腫れる福岡・大濠公園・歯医者精密歯科治療・マイクロスコープ

はじめに

「歯の根がズキズキする」「噛むと響く」「夜に痛みで目が覚める」——そんな症状は、歯の内部(歯髄)や根の先(根尖)にトラブルが起きているサインかもしれません。放置すると悪化しやすい領域なので、早期受診が何より大切です。

下の図は歯のレントゲンです。根の治療をしたのに痛みが取れない、再治療が必要になってしまう場合、根の中が感染して、根の先に病気を作ってしまっている状態です。

根管治療


■歯の根が痛む原因とは

・虫歯による痛み

むし歯が深く進行すると歯髄炎(歯の神経の炎症)を起こし、冷たいものや、温かいものの刺激で痛みが出ます。初期は冷たいものがしみる場合が多く、進行してくると温かいもので痛みが出るようになり、寝る前に痛みが増強する場合もあります。

さらに進行すると神経が死んでしまい(歯髄壊死)、根の先に炎症(根尖性歯周炎)が起きて噛むと痛む/ズキズキする状態に。

  • サイン:冷たいもので長く痛む→温かいものでズキズキ、夜間悪化

  • 放置リスク:歯髄壊死、根尖性歯周炎ができる

・歯周病の影響

歯周病で深い歯周ポケットが出来ると、咬合痛や鈍痛の原因になります。

歯周病由来の痛みは歯肉の腫れ・出血・口臭を伴うことが多く、歯周病が進行した部分で歯の神経が死んでしまう事もあり、歯周治療と根管治療の併用が必要になる場合があります。

・歯の根の炎症(外傷・亀裂・咬合性外傷など)

強い食いしばり・歯ぎしり、硬い物の咀嚼、外傷などで歯根膜が炎症を起こすと噛むと痛む状態に。歯のヒビ(クラックトゥース)があると、しみ・噛合痛・断続的なズキズキが続くことも。


■歯の根の痛みの種類

・慢性的な痛みの特徴

  • 鈍い・重だるい違和感が続く/噛むと響く

  • 根尖部炎、咬合性外傷、歯周病関連のことが多い

・急性の痛みの特徴

  • 短時間で急に強くなる、夜間に悪化しやすい

  • 急性歯髄炎・急性根尖性歯周炎などでみられる

・ズキズキする(拍動性)痛みの原因

  • 根の先で膿がたまる・炎症が強いと拍動痛に

  • 神経の炎症が強くなってくるとズキズキした痛みが出やすいです
  • 腫れ・発熱・飲み込みづらい等があれば早急に受診


■歯の根の痛みを和らげる対処法

・家庭でできる応急処置

  • 患部を冷やす:頬の外側から保冷剤を15〜20分(直接肌に当てない)

  • 清掃:フロス・歯間ブラシで食片圧入の除去

  • 安静:長時間の入浴・飲酒は避ける

・市販薬の利用

  • 鎮痛薬(例:イブプロフェン、アセトアミノフェンなど)を用法・容量厳守で。

  • 抗生物質は自己判断で服用しない(症状悪化や耐性化のリスク)。

・冷却療法の効果

  • 冷やすことで炎症性浮腫を抑え、拍動痛を軽減

  • 温めるのはNG:血流が増えて痛みや腫れが悪化します。


■根管治療の流れと痛みの管理

・根管治療の基本的な手順

  1. 診査・診断(レントゲン/CBCT)

  2. 局所麻酔ラバーダム装着

  3. 感染歯質の除去、隔壁作製、壊死歯髄の除去

  4. 根管形成・洗浄(NaOCl・EDTA等)

  5. 症例により薬剤貼薬(Ca(OH)₂など)

  6. 根管充填(ガッタパーチャ等)

  7. 土台・最終修復咬合調整

  8. 定期的な経過観察

・治療中の痛みを軽減する方法

  • 十分な麻酔と的確なラバーダム防湿

  • 咬合性外傷がある場合は一時的な咬合調整

  • 必要に応じた鎮痛薬の併用とホームケア指導

・治療後の痛みの原因と対処法

  • 術後の痛み:数日〜1週間ほどの違和感は比較的よくある

  • 咬合性外傷:仮封・仮歯が高いと痛みが長引く→咬合調整

  • 残存感染・側枝/根尖病変:痛みが強い/長い場合は再評価・再治療や外科的処置(根尖切除)を検討


■歯の根の痛みが続く場合の対処法

・再診の必要性

  • 48〜72時間以上強い痛みが続く、腫れ/発熱、口が開けづらい、嚥下痛がある場合は至急受診

・専門医への相談

  • 再治療、難治性病変、歯根破折疑いでは歯内療法を得意とする先生を受診することが大切CBCT、マイクロスコープで精密に評価を行います。

・生活習慣の見直し

  • 食いしばり・歯ぎしり対策(就寝時のナイトガード等)

  • 砂糖摂取・間食・不十分な清掃の見直し

  • 定期メインテナンスで早期発見・再発予防


よくある質問(FAQ)

Q. 根管治療は痛いですか?
A. 麻酔を十分に行い、刺激を最小化することで治療中はほとんど痛みを感じません。術後は数日間の違和感が出ることがあります。

Q. 抗生物質は必要ですか?
A. 腫れ・発熱・全身症状を伴う場合などに限り、必要性を評価して処方します。自己判断は避けましょう

Q. その日のうちに良くなりますか?
A. 痛みの原因や炎症の強さにより異なります。原因除去と適切な鎮痛管理で多くは数日で軽快していきます。


受診の目安(当院からのお願い)

  • ズキズキした拍動痛/腫れ/夜間悪化

  • 噛むと強く響く/熱いもので痛む

  • 市販薬が効きにくい・長引く
    早めにご相談ください。オンライン/お電話で当日枠の確認も可能です。

    これらの症状がある方は早めの受診をお勧めします。大事なのは生活習慣の改善、歯ブラシです。虫歯、歯周病で歯を悪くしないように定期的な受診、しっかりとした指導を受けましょう。

  • 根の治療は難しい治療です。専門的な知識を持った先生を見つけて受診することをお勧めします。

執筆者情報

院長/歯科医師・博士(歯学)

Masaki Tsujimoto
               

【略歴】

2008年
日本大学松戸歯学部卒業 日本大学松戸歯学部附属病院 研修医
2009年
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
齲蝕学分野入学
2009年~2013年
開業医勤務
2013年
日本顕微鏡歯科学会 認定医取得
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科修了
博士(歯学)取得
2013年~2018年
長崎大学大学院
医歯薬学総合研究科齲蝕学分野助教
2016年~
日本顕微鏡歯科学会代議員
2017年
日本顕微鏡歯科学会認定指導医取得
デンツプライシロナ エンド公認インストラクター
2018年
辻󠄀本デンタルオフィス開業

【受賞歴】

2015年
日本歯内療法学会関東甲信越静支部 第9回ウィンターセミナー鈴木賢策賞受賞
第12回日本顕微鏡歯科学会学術大会 大会長賞受賞
2023年
日本顕微鏡歯科学会学術大会優秀ポスター賞受賞

開業歯科クリニックでの勤務や大学での研究を経て、
長崎大学の齲蝕学分野助教となり、根管治療の難症例などの治療にあたる。

2018年に「辻󠄀本デンタルオフィス」を開業。
マイクロスコープを用いた精密な根管治療を得意とし、難症例にも多く対応している。

歯科医師向けの様々なセミナーの講師を務めるほか、歯科関連の雑誌や書籍の執筆等精力的に取り組んでいる。

Tel.092-791-2223
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